LANCIA STORATOS Gr4

勝つために 生みだされた異端児

update : 2016.08.02

憧れのランチア・ストラトス。

名車にまつわるオーナーの想いや素敵な繋がりを中心に紹介するコラム「LOVING THE CLASSICS」。第3回目は、1981年のスペイン・ラリーチャンピオンカーというヒストリーを持つ、原田晃さんの愛車、ランチア・ストラトス Gr4を取材しました。

ランチアの愛好家として名前が知られる原田さん。現在はランチアクラブジャパンに所属し、理事として活躍されています。学生時代からラリーを楽しんでおり、自分の車を好きに選べるようになった時に、最初のランチアでとして手に入れたのが、ストラトス・ストラダーレでした。ストラトスこそが、ご自分がラリーをされていた当時の最高峰であり、原田さんにとって憧れの車だったのです。さらに今から8年前、ストラトス Gr4がヨーロッパで売りに出されていることを知り、2台目のストラトスとして選んだのがこの車です。購入当初は、ストラトスと言えば一番に想起する白とグリーンのアリタリア・カラーに仕上げられていました。しかしこの車は1981年のスペイン・ラリーのチャンピオンになった車体であり、優勝時のカラーリングはロスマンズ・カラーと呼ばれる白と青。そこで原田さんは現地で当時のメカニックや関係者を探し、当時とまったく同じ状態にレストアを依頼します。作業が終わり、原田さんの手元に車が届くのは、それから4年後のことになります。

ランチア・ストラトスが生み出した人の輪

ランチアがもたらしてくれたのは走る喜びだけではありませんでした。2012年、日本国内のランチアのイベントにて、原田さんと「生涯の友人」との交流が始まります。その友人とは、1977年にストラトスを操りFIAカップ・ラリードライバーズタイトルに輝いたサンドロ・ムナーリ氏。敬愛するムナーリ氏のドライブするストラトスに同乗する機会を得た原田さんは、これをきっかけにムナーリ氏と意気投合。彼を通じて、さらに当時のワークス・ドライバーやナビゲーター、メカニック、デザイナーといった、名だたるレジェンドとも付き合いを深めていきます。幾度となくイタリアを訪れ、彼らと語り合ううちに、日本からの“客人”であった原田さんは、いつしか気の置けない“友人”として受け入れられる仲に。「イタリア人は、友人と客人とでは接し方が全く違う。友人になると日本人のおもてなしとはまた違った深い情を感じます。イタリアの友は、クルマだけではなく、文化やふれあいの素晴らしさを教えてくれる。ストラトスが恵んでくれた最高の財産ですね」と語る原田さんの明るい笑顔が印象的でした。

取材・文: 平間裕司( Style Wiseman )

LANCIA STORATOS Gr4

LANCIA STORATOS Gr4

ランチア・ストラトスは、ランチアが製造した世界ラリー選手権(WRC)で勝利することを目的に開発されたホモロゲーションマシン。エンジンはフェラーリ・ディーノ246GT/GTSに使われたものと基本的に同じものを使用する。短いホイールベースと、ワイドなリアトレッドというデザインは、ラリーマシンとしての資質を最優先させたがゆえである。当時のWRCラリーストは「全てのコースがコーナーであってくれれば良いと思ったくらい」「直線では気を抜けない」などと表現していた。

1980~1989
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